生理不純と生理痛

症例 < 1 >

生理が始まる1〜2日前の下腹痛、腰痛、頭痛、不安感や神経過敏症状を温経湯に当帰芍薬散を添加した処方を長期間投与して改善させました。他人よりはちょっと遅く中学校3年生の時最初生理が始まりましたが、生理の初めの一日前から特に下腹が痛い始めながら次第に腰まで重くて痛くて、頭がぼうっとして気持ちが憂鬱になり、いらいらして何の理由もなしに不安になり、神経がとても敏感になって神経質で仕事に集中できなくなります。

特に生理が始まって1〜2日目は生理痛が激しく目の前がくらくらし、貧血がひどくなり、毎月生理毎に会社を欠勤しなければならない場合が多いです。産婦人科でさまざまな検査を受けましたが、これといった大きな原因はなく、ただ遺伝的な原因ではないかと言う程度です。結婚して子供を生めば良くなると言いますが、毎月辛くて耐えることができません。

患者は血の気の引いたような真っ白な顔をしていました。本当に折れそうなほど細い手首をとって診察をしようとして驚きました。とても手首が冷たくまるで氷のようでした。長い診断を終えてやっと脈を測ってみると典型的な小陰で中でも寒小陰でした。こんなに体が冷たければ身体の生理循環さえも正常ではないでしょう。生理時期でなくてもたまに周期的な偏頭痛、目まい、むくみ、消化不良、便秘、いらいら、上擦り、口内炎、あくび、手足の冷え等々の症状があるそうです。腹診をして見ると、腹部の上下に板が張り付いたように平らで、堅く、腹壁がとても軽微な刺激に対しても度がすぎる過敏反応を現わしました。まだ年も26歳と若いのに神経症までありました。私は非常に複雑な気持ちになりました。温経湯を40日間処方してある程度症状を和らげた後、補中益気湯と当帰芍薬散を6ヶ月ほど投薬してから全般的に落ち着いてきました。このように胎生的な遺伝的要因による症状は長期間の治療を要します。

症例 < 2 >

2年前から生理が不規則で生理の時に腹痛は勿論、帯下とひんぱんな膀失炎症状を竜胆瀉肝湯に桂枝茯令丸を合わせて2ケ月ほど投薬して完治させました。

先生！2年前に風邪、悪寒がひどく生理周期が不規則になって、疲労がたまるとすぐに膀胱炎が再発します。数え切れないほど病院や薬局にも通って見たが、40歳にもならなかったがよく疲れ、あの時毎に膀失炎が間違いなくまた再発します、友達の話しでは子宮が冷えているからそうなのだと言いますが漢方での治療は可能でしょうか？

声に元気のない中年婦人でした。赤黒い顔色と骨格を見て「実」の体質だと判断しました。診察をしてから病歴を詳しく聞いてみたところ、とても重要な事実を見付けることができました。24歳に4代独者(4代に渡って一人息子の家系)の家に婚入して女の子だけ4人を産み、何年か経って3年前にまた姙娠をしたが、姙娠6ヶ月の時に胎児がまた娘だという事が分かり、無理な早産を誘導したことが体に負担になりそれが原因でした。その後弱くなった体を補うために体に良いということをくそみそで取ったことが、かえって生理的な不均衡をもたらしたようです。腹部診察をして見たら臍の上に動悸がひどく、臍の左側に圧痛が感知されました。漢方的な用語で肝経の湿熱が正常な機宜運行を邪魔して腹筋が緊張して息苦しくたまに顔がほてって常時頭が重くて生理の時にお腹と腰が痛くて 1〜2時間とあけずによく小便をもよおすなど複合的な症状でした。龍膽瀉肝湯に痣血改善の名薬である桂枝茯苓丸を一緒に投薬してみると、20日も経たないうちに回復し、全体の投薬期間も3ケ月ほどでした。

Q : 漢方では生理痛や生理不純の原因をどのように定義しますか？

A : 漢方では一言で血の循環障害で定義します。すなわち気が正常な順行をすることができなければ血の循環に障害を起こして発病されると見ます。生理不純は健康状態にしたがってさまざまな症状を伴ないます。生理がある1週間の前から頭痛、目まい、むかつき、便秘、腹痛、腰痛などの生理の前に緊張症状があります。そして生理1〜2日目にたくさん現われる症状では、ひどい腰痛、腹痛、頭痛、悪心、不安、神経質などが代表的です。また生理その自体も与えるのが長くなるとかとても短い(23日〜37日は正常)だけでなく、その自体に混乱が来たり、生理の量が多かったりして少なかったりするなどのさまざまな生理不純の症状があります。とにかく、血の障害者、痣血や気の鬱滞その他に冷から来る血循環不全などの原因に発病します。よって、西洋医学で言う生理ホルモンの不均衡だから減らしてから子宮内膜炎、子宮筋腫、子宮の発育不全や機能障害などの病名で分類されるのではなく、体質と症状によって分類されてこれに従って処方されます。両方から普通ホルモン療法で治療する子宮と卵巣の発育不全や機能障害の改善も漢方医治療が優れています。

Q : 子宮生理機能不調和の原因の中で一番重要な影響をかけるのが何ですか？

A : 漢方では生理痛や生理不純の一番重要な原因を痣血で見ます。したがってこの?血の状態をよく観察するのが一番重要です。漢方医診断療法中にはまずばく進法があり、また場合によってはそれよりもっと重要視ここは診断が腹診です。楽に足を伸ばして横になって身に力を主旨しなくてとても楽な姿勢に腰の周り、特に腰の左右と恥骨の間の下腹部を重点的に押して見て抵抗感があるのにちょっと強く押すと痛みを感じればこれを漢方では?血の症状で見ます。ここで痣血の部位や腹力の程度によって処方が変わります。その他に機宜運行の異常もとても重要な要素として診断によく利用します。

Q : 生理不純の場合漢方ではどんな処方で治療しますか？

A
(1)　体格がいいわりに、便秘や熱っぽさがあり、目の後ろ側が凝っているような感覚がします。へその緒の左右、特に左下に圧痛のある場合は、桃核承気湯を処方します。
(2)　体格は一般的で、体力も人並みです。へその左側3〜5cmの部位に圧痛があります。さらに後頭肩痛があって?血性腰痛もある場合には桂枝茯令丸です。
(3) 上記のような症状があるうえに、下は冷気があって上には熱がのぼってきつつ生理痛がひどい場合には折衝飲を処方します。
(4)　体力がなく顔色が青白く、へその左右に圧痛があれば当帰芍薬散が非常に効きます。
(5)　圧痛の部位がへその左側の下腹部に現われて体力もあり、便秘がちな時は大黄牧丹皮湯。
(6)　その他に精神的に敏感で、午後に熱っぽくなり肩の方から急に熱が発生するしたり、反対に寒気を感じながら生理に以上がある時は更年期障害症状に使用する加味逍遥散がよく効きます。
(7)　手足が大変冷たく、疲れがあり、よく腰が痛い時には当帰四逆加呉茱萸生薑湯。
(8)　体力がなく生理が長く続く場合は芦帰膠艾湯がとても効きます。

Q : 日常生活で生理機能を改善することができる民間療法があれば紹介してください。

A
(1) 紅花茶を長期間服用すれば月経不純に效果的です。作る方法は1日15〜20gmの紅花を適量の水で沸かして随時路飲めば良いです。
(2) 糸瓜の種15gm、当帰10gm、竜胆草8gmを1日分量で煎じて随時服用すれば特に生理痛に效果があります。
(3) にらは滋強薬で分類されている漢方薬剤です。特に血の巡りを促進する良い效能があります。そのため体が冷汗体質の人に非常に良い效果が現われます。にらには悪い血を排出する作用があって生理活動を促進させ生理痛を無くしてくれます。また貧血治療の效果もあります。にら30gmをミキサーにかけて汁を絞った後、適量の蜂蜜を混ぜて飲み、下腹部を暖かくして横になれば生理痛がおさまり体力もつき、根本的な治療が可能になります。
(4)　桃仁は婦人科系疾患の大部分の処方に使用されるほど韓方医学では有名な生薬です。桃仁15gmを600 mlの水に入れてから300mlほどに水量が減るまで沸かし、それを1日3回に分けて飲みます。