" 漢方医学的に見る体質医学!"

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漢方医学的に見る体質医学!

現代人は栄養が豊富な食品をあまりにも多く食べすぎることにより栄養の過度摂取な状態になっているだけではなく、かえって適当な排泄が成り立たずに健康を害することがあります。体に良い言われる食べ物をとり過ぎるだけでなく、最近では科学的な根拠のない食品がまるで不老長寿の健康食品であるかのごとく宣伝され売られています。そして漢方の特定な補薬(強壮剤)処方がまるで誰にでも効く補薬だと勘違いして無分別に服用することで、かえって副作用に悩まされている患者などを見るととても残念です。
このような誤った医学常識のために動物までも密猟するなどということは大変に異常な事態であると言えます。人体に良いといって密猟される動物たちが誰にでも補養(滋養強壮)の效力を発揮するとは限りません。ここでは人体にとって有益な食べ物と種類と体質を調べていく事にしましょう。

Q : なぜ漢方薬はある特定された補薬を誰でにも投与することができないのでしょうか?漢方薬投与の基本的な原則について教えてください。例えば良薬のビタミンのような種類の薬はありませんか?

A : 生薬は化学的な薬とはその根本から違います。例えばAとBの2人が同じように風邪を引いたとしても、良薬はA、Bのどちらにもアスピリンを投与することができますが、生薬は同じ病気であっても患者の体質によって処方が変わるのでA、Bの2人に同じ処方の薬を投与することができません。しかしAとBの体質や症状が類似する場合には例外もありえます。そのため、ある特定の種類の生薬が全ての人に最良の效果が現われることがないのは生薬の特性だと言えます。それは漢方医学が生理、病理、薬理、治療などの全ての基礎が陰陽学に起因しているからです。
したがって生薬を人体に投与する際にもその生薬の基本陰陽と人体の基本的な陰陽によって様々に変化します。場合によっては病気自体を主として陰陽を計算して投薬したり、または患者の健康の陰陽状態によって、さらには胎生期の体質的な陰陽によって投薬するなど、非常に複雑でややこしい原理になっています。

Q : 漢方医学の独創的な体質論は100年余りしか経っていないと聞きました。体質医学の基本的な理論について簡単に説明してください。

A : 最初に指摘しておかなければならない重要な事実があります。最近、マスコミなどの媒体で漢方医学の体質論がよく紹介されて漢方医学を幅広く理解するのに大きな手助けになっている事は否定しませんが、体質医学が漢方医学の全部であると誤った解釈をする危険性もあるこも否めません。漢医学の基本は「証」を主とする医学であり、決して体質医学だけを中心とするものではありません。もちろん朝鮮王朝時代の体質医学は漢方医学の理論としては言葉で表現しにくい学説である事に違いないですが、ここで強調しておかなければならない事は体質医学が漢方医学のそれ自体ではないという事です。
小宇宙よりもさらに奥深い人体の生理と病理を扱う事において一つの理論にだけに凝り固まった考え方をすると、不本意に誤った判断をする可能性があることを明らかにしておく必要があるでしょう。しかし短期間に体質医学が漢方医学に及ぼした影響や業績は大きいのも事実です。
漢方医学の思想体質論(四象体質論)の元祖である李済馬の体質医学経典である『東医寿世保元』の理論を中心に分かりやすく説明して見る事にしましょう。この体質医学の理論を大体的によく見ると、人間は天賦的に親から受けた「臓」と「腑」に「虚」と「実」があり、これによる「喜」、「怒」、「哀」、「楽」の性情が作用して生理現象を成すとし、漢方薬だけではなく体質にあった食品と養生法に至るまで広く論議されています。
代表的な体質というのは太陽、少陽、太陰、少陰というもの存在します。

太陽人は肺大肝少 ; 呼吸循環機能系統は強くて肝臓機能系統が弱いです。
少陽人は脾大腎少 ; 消化吸収機能系統は強くて生殖機能系統が弱いです。
太陰人は肝大肺少 ; 肝臓機能系統は強くて呼吸循環機能系統が弱いです。
少陰人は腎大脾少 ; 生殖機能系統は強くて消化吸収機能系統が弱いです。

これは各体質による「臓腑」の「虚」と「実」が相対的に作用し、もし虚ろなことがさらに虚ろになると、「実」な事(健やかな事)がさらに「実」になると病的な状態として現われるとしています。これを「臓」と「腑」の「太」、「少」と呼びました。しかしここで「太」、「少」すなわち「大」と「小」というのは「臓」と「腑」の解剖学的な意味の大きさではなく機能の虚ろさと健やかさを現わすものです。

Q : 各体質別に簡単な鑑別のポイントとそれぞれの体質によって適応する食品を紹介してください。

A : 各体質別に体形と容貌、心理状態、そして対応する食品を分類して簡単に分かりやすく説明する事にしましょう。

     A. 太陽人

@体形と容貌
太陽人は呼吸循環器系統が強く、肝臓機能系統が弱いので、首筋が丈夫で頭が大きい傾向があります。容姿は丸顔で額が広く頬骨が出ている方で、目の輝いています。肝臓が比較的小さいので脊椎と腰部位が弱く、横になっている事が好きで足が比較的弱くて長時間歩くと疲れやすいです。また体は小さい方で子宮機能が弱いです。

A心理状態
太陽人の性格は他人と人付き合いがよく、決断力があり積極的です。その反面計画性がなく、豪胆で人を攻撃するのが好きで引き下がったりはしない。また度のすぎる理想家で自尊心が強くて、事が思った通りに進まないと感情を表に出して怒ったりもする。賢く優れた創意力があり他人が考えつかないことを発想したり研究します。太陽人はその数が少なく李済馬も研究をしつくすことができなかったと明かしています。処方についても2,3種類、食品についての分類も少量にとどまっています。

B適応する食品
太陽人は油っこい食べ物よりはあっさりした食べ物があっています。辛くて熱い食べ物を食べ続けると胃を痛めることもあるので注意したほうがいいです。生ものでは次のような食べ物が良いです。

          魚介類:えび、貝類(カキ、アワビ、サザエ、貽貝)
          果物類:ぶどう、栗、えんどう豆、猿梨の実、花梨の実
          穀物類:そば、全ての野菜、出来る限り脂肪分が少ないものが良い。

     B. 少陽人

@体形と容貌
少陽人は消化吸収機能が健康で心臓の機能が虚ろなため胃腸部位の胸郭が発達していて腰の下部分が弱いです。体は基本的な平均的な体形が多く、上半身が下半身よりやや発達しており、よく歩きます。明るく、清潔な雰囲気で、目は聡明で顎はとがっています。また声帯は高く、行動は明快です。動物に比喩すると馬のような純粋さを持っており、体形の均衡がよくとれています。女性は子供をたくさん産むことができず、男性は更年期に精力が衰えます。また腰痛にもなりやすい体質です。

A心理状態
少陽人は他人の仕事には犠牲を惜しまないが、自分の事になるとたいして重要に考えないところがあります。判断力と瞬発力が早いが、根気と忍耐力が不足しており、すぐにあきらめがちです。したがって開拓するのは得意だが粘り強く仕上げる面で不足しています。義理を尊重して情が多く、相手の過ちを責めません。間違いを起こした時は非常に後悔しそれが原因となり健康を害する事もあります。見た目には軽く見えますが、多情多感な正直者で、心変わりはなく、奉仕精神に優れていて、人々に好感を持たれます。思想体質の中では最も欲がなく、熱が多くて、せっかちです。娯楽には興味がなく、好色ではありません。精神的にせっかちになりがちなのを抑えて行動する事を習慣付けることがたいせつです。

B適応する食品
熱が多い体質なので凉しくてさっぱりとした食べ物を食べて便秘がおこらないようにしなければなりません。

          魚肉類:豚肉、卵
          魚介類:カキ、なまこ、蟹、油っこいものが良い。
          果物類:スイカ、真桑瓜、ぶどう
          野菜類:白菜、きゅうり、カボチャ、なす
          穀物類:麦、小豆、緑豆、胡麻、そば

     C. 太陰人

@体形と容貌
太陰人は肝臓機能系統が丈夫で呼吸循環器系統が虚ろで腰が発達し首筋部位が腰に比べて弱い方です。太陰人は大陸性の気質で、体格が大きく手足も大きい方です。お腹を突き出して歩く様は鴨みたいでもあり、両班(韓国の貴族)のようでもあります。生意気で傲慢そうに見え、目尻が上がっている。太陰人の特徴は汗をよくかき、ご飯を食べる時は必ずといっていいほど汗をかきます。汗をかくということは新陳代謝がいいという証拠なので心配する必要ありません。幼少の頃には冬に手足にひび割れができる事が多いです。

A心理状態
太陰人は外見は上品で威厳がありそうに見えるが陰険な性格で、本音あまり言いません。また心の広い時と閉鎖的な時の差が激しいです。間違っていることでも強引にやってしまう愚鈍性を持っています。黙々と練り上げた自分なりの計算を実現させるために努力するので大成する場合が多いです。太陰人の「楽」というのは贅沢、つまり、道楽を非常に楽しむということです。人より何かを計画して行うということに長けており粘り強く、物事を遂行するので成功する確立が高いようです。どの体質より欲望と意地が強くいのでストレスがたまりやい体質でもあり、成人病に悩まされることが多いです。したがって度の過ぎる欲望は抑えてることが必要になります。

B適応する食品
運動で汗をよく排泄させることが大切です。食べ物を調節して肥満を防止することが大切です。

          魚肉類:牛肉、ユッケ、牛乳、バター、コムタンスープ、ソルロンタン
          魚介類:淡泊な魚類
          果物類:梨、栗、くるみ、銀杏
          野菜類:大根、桔梗、蓮根、ワラビ、長芋、里芋
          穀物類:小麦、大豆(豆腐、おから、大豆萌やし)、鳩麦

     D. 少陰人

@体形と容貌
少陰人は生殖機能に長けていますが消化吸収機能が虚ろで、上半身よりも下半身が丈夫です。体形は均整がとれています。小柄ですが骨太で容姿端麗な人が多く、愛嬌があります。額が出ており、目、鼻、口が小さく目に生気がありません。少陽人が反射型であるなら少陰人は吸収型です。肌が柔らかく木目細やかで他の体質に比べ汗をかかない方です。
非常に大人しくて内向的で、喋る時は笑みを浮かべ落ち着いていますが、時々ため息をつくことがあるので他人が見ると悩んでいる人のように見えます。少陰人は大抵の場合消化機能が弱く、便秘気味で夏場に冷たいものをたくさん食べると下痢になりやすいです。体が「冷」であり、気難しい体質だといえます。

A心理状態
少陰人は内省的だが、社交的です。特徴としては外見は柔軟そうに見えても内面は強いです。しかし小さな事にでも非常に気難しく過敏であり、心の状態が常に不安定です。聡明で判断力に優れていて決断が早いです。どんな事でも出だしはてこずりますが一度拍車がかかると組織的で事務的に粘りがあり、けじめをつけます。任された事は正確に処理し、上役に対するお世辞も上手です。自分よりも強い者の前では諂って下から上にあがるチャンスを待ち結局は逆転させてしまうほどの粘り強さを持っています。また、貯蓄家で少陰人の女性は生活力があります。小奇麗で真面目、物事に緻密で意味もなく出歩いたりはしません。子沢山な体質です。家族たちとの調和をいまいちとれずに、嫉妬や妬みが多いので精神的に常に不安でいらいらしています。神経症の疾患で苦労する場合も多です。消極的で精神的に細やかなので積極性を磨かなければなりません。

B適応する食品
消化に悪い食事や冷たいものを避けて下痢をしないように気を付けたほがいいです。

          魚肉類:鶏、羊、山羊、犬、明太子、さば、どじょう、ウナギ
          果物類:ナツメ、りんご、みかん、桃、トマト
          野菜類:法蓮草、せり、キャベツ、赤大根、春菊、じゃがいも、ねぎ、ニンニク、胡椒、生姜、
                     炒りごま
          穀物類:もち米、飴、もち米

 
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